坂井輪診療所

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高齢者糖尿病の時代 ~当院における「糖尿病」注射治療11人のまとめ(2020.3 現在)

2020/4/4
[ 内科の病気 ]

電子カルテ患者登録システムから検索すると、当院に通院中の糖尿病患者さんの総数は252人でした。そのうち、注射治療が11人、内服治療が145人、投薬なしが96人でした。今回は、注射治療をおこなっている11人についてまとめてみました。

65歳以上の高齢者が9人(82%) 75歳以上が6人、85歳以上が2人でした。

インスリン注が7人、トルリシティ併用が1人、単独が3人

持効型インスリンが11人中7人に使用されていました。うち3人が超速効型インスリンと併用した「強化インスリン療法」、1人がトルリシティ注と内服を併用、3人が内服と併用した「BOT療法」でした。また混合型インスリン単独治療が1人ありました。
GLP1作動薬であるトルリシティは4人に使用され、1人は持効型インスリンと併用、2人は内服と併用、1人はトルリシティ単独治療例でした。
内服治療だけで血糖コントロールが困難な症例に注射治療をしておりますので、どうしても多剤併用となります。インスリンの投与量を減らすこと、血糖変動を小さくして低血糖を減らすためです。

「HbA1c」8%未満が73%

最後にもっとも大切な血糖コントロールです。直近のHBA1Cでみると、7%台が8人(73%) まあまあというとことでしょうか? もっとも若い56歳の方は7.0%と良好でした。
8%の壁を切れていない3人のHBA1Cは(8.0、8.1、8.5)です。3人とも75歳以上で、30年ほどの長い糖尿病歴があります。またうち2人は強化インスリン療法をおこなっています。もう少しというところなのですが、間食を減らせない、夕食後なにもすることがなくすぐ寝てしまうなど、生活習慣を修正することはなかなか難しいのですが、なんとかガイドラインの示す8.0%を達成するようがんばりたいと思います。

主典元:日本糖尿病学会

当院の専門外来で注射治療を受けていた患者さんはほとんど専門クリニックにご紹介しました。しかし高齢のため通院困難であったり、若い方でも諸々の事情により転院できない方がおられます。わずか11人の患者さんですが、ひとりひとりの人生に寄り添いながら、いつまでも健康な生活が送れるよう、患者さんといっしょにがんばっていきたいと思います。

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