8/19「小新中学校区社会福祉協議会講演会」にて安達所長が講演
8月19日(土)、坂井輪コミュニティセンターにて開催された「小新中学校区社会福祉協議会講演会」に安達所長が講師として招かれ、講演を行いました。暑い中、約60名の地域の方々が参加されました。
演題は「いのちのひとりぼっちをつくらない ~「高齢者救急」と「ACP」について~」。前半は新潟県内・市内の救急搬送状況や課題についてお話しました。新潟市では、救急車が現場に到着してから病院に運ばれるまでに時間がかかっているという現状があります。患者さんを手遅れにさせないために、市内の救急医療体制の強化、救急隊と医療機関の間での患者情報の共有、在宅医療の充実などが求められています。
後半はACP(=アドバンス・ケア・プランニング)についてのお話でした。ACPは「人生会議」とも言われますが、前もってケア計画を立てることです。いずれ最期を迎えるときに本人が希望する治療やケアを受けられるよう、前もって何度も話し合っておくことが重要になります。
所長の講演の後は、新潟市保健衛生部地域医療推進課の石原係長より、「にいがた救急連携シート」の紹介や、新潟市地域包括支援センター小新・小針の社会福祉士・阿部様より、地域包括支援センターについての紹介がありました。
「にいがた救急連携シート」は、西区で取り組まれているモデル事業です。シートを作成することで、救急隊と受入医療機関とで患者情報の共有が可能となり、円滑な搬送・治療につなぐことができます。当診療所もシートの作成に積極的に取り組んでおります。
参加者の感想
参加された方々からは、「もしもの時の話を亡くなった母と出来ていたらよかった」「老後の厳しい現実を知ることになり、家族とよく話し合うことの必要性を感じた」「考えなくてはならない大切なことだが、とても難しい」「これからの救急医療、ACPが必要となる背景、現状から、詳しく分かりやすく聞かせていただけた」などと様々な感想をいただきました。
中には、実際に、お母様への延命治療の判断が正しかったのかどうか悩まれた経験があるという方もいらっしゃいました。大切な人の命の選択を迫られ、悩まれた方がいらっしゃるということ、身に沁みるものがありました。ACPと言うと難しく感じるかもしれませんが、 ご家族や周りの方と 「もしもの時、どうする?」と一度話をしてみていただきたいです。
地域とともに
今回の講演会は、小新中学校区社会福祉協議会の主催、坂井輪小・小新中学校区まちづくり協議会の共催で開催されました。このような講演の機会を設けてくださったことに深くお礼申し上げます。
高齢化が進む中、今後はさらに医療需要・介護需要が高まっていくと思われます。高齢者をひとりぼっちにさせず、安心して医療を受けてもらえるよう、今後も地域と連携・協力しながら様々なことに取り組んでいきたいと思っております。(文責:事務職員 西脇)
コメント
ACPの対話は、自分が生まれ育ってきた道をたどることにつながると思います。親がどんな思いなのか?それはなぜなのか?親の思い、子への思い、迷惑をかけたくない、お世話をしたい、自分の歩んできた道、子どもと歩んだ道、思い出と今の思い等々。
その対話によって、残された人もひとりぼっちから救われるかもしれません。思い出だけでは生きて行けませんが、思い出があるから支えられるということもあります。
これからもACPや様々な地域活動に取り組まれることに期待しております。
また、自分がACPの対話をしてみると、新たな発見もあります。
私も母がヘリコプターで搬送された6年前に対話して以来、放置していることを思い出しました。
時間がかかるのもあって、正直言って、面倒だと感じる部分もありますが、大切なことですよね。
わかっています、わかっていますよ〜。
コメントありがとうございます。ACPはだれのため? そうですね、もちろん人生の最終段階へ向かって旅立っていく人のためなのですが、残された人のためでもあります。「その対話によって、残された人もひとりぼっちから救われるかもしれません。思い出だけでは生きて行けませんが、思い出があるから支えられるということもあります。」このコメントに心打たれました(安達)