高血圧から脳と心臓をまもる
2019/11/11
[ 高血圧症 ]
最も死亡に関連する要因は「喫煙」ですが、心血管病(循環器疾患)に限ると断トツに「高血圧」です。しかし高血圧があっても症状がないことが多く、健診で高血圧が指摘されても、ついつい治療をおろそかにしがちです。
昨日の外来の一幕。「寒くなると動脈が収縮するので血圧が上がります、ですから寒暖差に注意して、また塩分もしっかり制限してくださいね。」「大丈夫です、塩分はほとんどとっていません。」「パンや麺類は小麦粉をつかった加工品ですから塩分は入っていますよ、ソーセージなどの加工品も、甘いお菓子も必ず塩分は入っています。」「そうなんですか?ラーメンが大好きでいつも大盛り、スープも全部飲み干します。」
本日の外来の一幕。「最近起床時の血圧は上がってきていませんか?」「少し上がってますがなんでもありません。わたしはサウナが好きで、たっぷりと汗をかいた後は血圧が下がっています。そのあとに水風呂につかると爽快なんですよ。」愕然としました。若いときなら問題ないのでしょうが、75才を過ぎて長時間の温冷交代浴では脳心血管に強いダメージを与えます。
高血圧症は、循環器病(心血管病)の最大の原因
長年の高血圧により動脈壁が硬くなり弾力が低下します。ですので高齢者ほど血圧の変動が大きいのです。1回くらい急上昇しても休めば元へ戻りますから心配ありません。しかしそれが日中何回も急上昇を繰り返せば血管を傷めるかもしれません。また急降下の際にも脳貧血を起こし意識を失うことがあります。まずは起床時の安静時血圧を目標値まで下げ、日中の血圧変動の原因となる寒暖差に注意しましょう。生活習慣の基本は「減塩」、やせることはすぐできませんが「減塩」は今から始められます。そして「寒暖差」に注意した生活をこころがけください。