坂井輪診療所 所長 講演会~新型コロナ、正しく知って正しく恐れる~
先日、「坂井輪中学校区まちづくり協議会 福祉部」が主催する、
坂井輪診療所 安達所長 の講演会「新型コロナ、正しく知って正しく恐れる」
がありました。
内容は、「新型コロナウイルス感染症」とどう向き合うか、
高齢者を中心に考える、です。
1時間程の講演会の内容を少しお話しします。
①新型コロナウイルスにかかった
70歳以上の高齢者は4人に1人の割合で
亡くなっている!?
新型コロナウイルスの70代以上の方の
致死率 (発症から死亡までの期間を調整して算出) は
第1波 25.1% / 第2波 25.9%というニュースがありました。
(NHKニュースより)
しかし、第1波はピークアウト時期(5/25~5/31)、
第2波はピーク時期(8/13~8/19)の値であるため、
比較対象が適切ではありません。
その後国立感染症研究所が計算方法を改めました。
第1波の5月と第2波の8月の1か月間を見ると、
70歳以上の致死率は、5月の値から17.4%下がり、
致死率は8.1%(8月)でした。(朝日新聞より)
この結果となる要因は2つ考えられます。
①検査体制が整備され、軽症者などが多く見つかるように
②治療法の改善
しかし、油断は禁物です。
それは、若者より70歳以上の致死率が高いということ。
(下のグラフ参照)
感染対策は油断せずに取り組みましょう。
②10月以降の新型コロナウイルスの検査を
受けるまでの流れは?
10月以降、インフルエンザが蔓延する恐れがあります。
そのため、今後新型コロナウイルスが疑われる方は、お電話で、
3つの機関のどれかに電話をかけていただくという形になるようです。
❶検査を実施していない医療機関 ➡ 実施機関に紹介 ➡ 実施機関で検査実施
❷「診療・検査医療機関(仮称)」 ➡ 検査実施
❸「受診・相談センター(仮称)」(現帰国者・接触者相談センターなど)
➡ 実施機関に紹介 ➡ 実施機関で検査実施
③免疫力を維持するには?
④質疑応答(4問)
❶「新型コロナウイルスの感染を防ぐための様々な対策
( 3密回避・マスク・検温など )は極端すぎるのではないか?」
➡Dr.の回答
・ 濃厚接触者の定義
①【 ⼿で触れることの出来る距離(⽬安:1 m以内)で、
適切な個⼈防護具を使⽤せず、⼀定時間(⽬安:15 分以上)の接触があった場合】
②【 患者の気道分泌物もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が⾼い場合】
(環境感染学会「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第3版)」:
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide3.pdf)
・風通しが良い外ではマスクをした状態で人と2m離れれば大丈夫。
・また、マスクをしていると手にウイルスが付いた状態で
自分の鼻や口を触らないため良いメリットがある。
・みんなが新型コロナウイルスにかからない為にも、
制限されてしまうのはある程度仕方がない。
❷「アルコール消毒以外に生きているウイルスはいるか?」
➡Dr.の回答
・ノロウイルスは石鹸消毒が効かない。
(次亜塩素酸ナトリウム液を使用するしかない)
・現時点で判明している新型コロナウイルスの残存期間として、
エアロゾル は 3 時間まで、プラスチック・ステンレスの表面は72 時間まで、
というものがある。
・銅の表面では 4 時間以降、段ボールの表面では 24 時間以降は
生存が確認されなかった
(国立感染症研究所「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理」:https://www.mhlw.go.jp/content/000635967.pdf#:~:text=%E7%8F%BE%E6 %99%82%E7%82%B9%E3%81%A7%E5%88%A4%E6%98%8E,%E3%81%AA %E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82
・参考までに、満員電車が頻回にある山手線では集団発生し感染した例がない。
・密着する場(夜の街・カラオケなど)では感染者が多い。
・参考までに、満員電車が頻回にある山手線では集団発生し感染した例がない。
・密着する場(夜の街・カラオケなど)では感染者が多い。
❸「新型コロナウイルス感染症はインフルエンザのように
季節性のウイルスになるのか?また、新型コロナウイルス感染症を
正しく恐れればいつも通りに過ごしてもいいのか?」
➡Dr.の回答
・インフルエンザの感染時期は乾燥した冬に多く、
湿った夏はインフルエンザがなくなったように見える。
これは集団免疫ができたからである。
・新型コロナウイルスが、インフルエンザのような
冬風邪になるには3年以上かかるのではないか。
・本来は国や県のリーダーが国民が安心するように発信し、
その上で我々が行動する流れが望まれる。
❹「介護施設職員と施設入居者の全員がPCR検査を実施している所(東京)
があるが、私たちの施設でもPCR検査をすべきか?」
➡Dr.の回答
・新潟県は地域流行していない。
・「2週間前に県外へ旅行した。」という人がいれば
PCR検査はすべきだと思う。
・東京都世田谷区では流行しているから、
その自治体ではその政策を行っている。
また、所長 安達の講演会終了後、
事務の石井・三田村が坂井輪診療所で行っている
「なんでも相談会」と「無料・低額診療事業」などについてお話ししました。
お話しした内容から2点についてお話しします。
坂井輪診療所では、
毎月第3金曜日の午後に「なんでも相談会」を開催しています。
医療費、介護・年金、その他暮らしのいろいろ・・・なんでも相談に乗ります
お気軽にご相談ください。
「無料・低額診療事業」は
❶国民健康保険の短期保険証や資格証明書が発行され困っている方
❷病気や障害などで収入がなくて困っている方
❸リストラや失業のため一時的に収入がなくなって困っている方
❹医療費の支払いをすると生活に困難を生じる方
などの方に、無料または低額で診療を行う事業です。
この事業を実施しているのは坂井輪診療所だけではないので、
お近くの実施事業所にお気軽にご相談ください。
治療を受けながら今後のことを一緒に考えましょう。
詳しくは、新潟市のHPをご覧ください。
無料低額診療事業について:https://www.city.niigata.lg.jp/smph/iryo/iryo/oshirase/muryouteigaku.html
また、全日本民医連にも「無料・低額診療事業」について詳しく載っています。
ぜひご覧ください(https://www.min-iren.gr.jp/?p=20991)
以上が講演会での簡単な内容です。
約40名の方のご参加ありがとうございました!
気になることがありましたらお気軽に坂井輪診療所までご相談ください。