当院における「CPAP」64例のまとめ(2020.3.5現在)
64例中、男性が8割、50~70代がほとんどを占めていました。
肥満と高度肥満を合わせると33人,BMIがわかる人の58%が肥満でした。低体重の方はいませんでした。
複数の生活習慣病を重複してもっておられる患者さんが少なくないので、①糖尿病 ②高血圧 ③脂質異常症 と優先順位をつけて管理しています。つまり①の群では糖尿病以外に、高血圧や脂質異常症も併存している可能性がある患者さんです。いずれにせよ、なんらかの生活習慣病をおもちの患者さんが55人、86%の患者さんが生活習慣病を併発してることがわかりました。つまり肥満のために生活習慣病が悪化し、さらにSASのために生活習慣病のコントロールがつかない、まさに「悪循環」におちいります。
「睡眠時無呼吸」86%に生活習慣病が隠れている
「CPAP」50%が当院で導入、50%が紹介
当院では簡易PSGをおこなっています。その結果でSASが疑われる患者さんには専門医での精査をお勧めしています。当院と同じ西区にある西新潟中央病院にご紹介することが多く、それもあって当院への逆紹介が多いのです。しかし仕事が忙しくて受診、入院精査をする時間がとれない、そのような患者さんには当院でCPAPを導入しております。当院管理の患者さんのうち、当院での導入例がちょうど50%でした。
最後に提携業者さんです。西新潟中央病院では4社が偏らないように均等に導入しているようです。しかし当院での初回検査はどうしても患者さんにとって簡便なしくみを準備してくれる業者さんに偏ります。また導入後のフォローもていねいにしてくれる業者さんです。かつては一旦当院に受診していただき、PSG機器の使用説明を行っておりました。どうしてもそこで一手間かかりますので、患者さんは仕事を休まねばなりません。業者Aでは宅配システムを利用してその一手間を省いてくれます。また他社に先んじて「3G通信機能搭載機器」を設置してくれましたので、患者さんがSDカードを郵送しなくても当院で患者さんの使用状況が把握できるのです。西区においては業者間のサービスの差が提携業者の差になっています。 他の業者さんにも頑張ってほしいと思います。
「睡眠時無呼吸」治療を受けているのは10%に過ぎない
SAS患者数は400~500万人と推定されているそうです、しかし治療されている患者数は10%ほど。「睡眠時無呼吸症候群」であることを知らずに日常生活を送っている患者さんが相当いることになります。日中の眠気で自動車事故、電車事故、飛行機事故など、ヒヤッとすることはないでしょうか?またどんなに薬を増やしても血圧が下がらない方の中にSASの患者さんがいるかもしれません。SASを放置すると心筋梗塞や脳卒中の危険が4倍も高くなります。どうか一度、かかりつけの先生にご相談いただけますようお願いたします。もしご近所にお住まいの方でしたら、いつでもご相談ください。
http://www.jsomt.jp/journal/pdf/066010001.pdf