「動脈硬化」が見える!コレステロールの高い方は「頚動脈エコー」検査をおすすめします!
動脈硬化はなぜ怖い?
動脈硬化といわれてもピンとこない?だって、痛くもかゆくもないし。そうなんです、動脈硬化は自覚症状がなく、知らず知らずのうちに進行し、症状が出たときは大変!「脳卒中」で寝たきりになったり、「心筋梗塞」で生死をさまよったり、「閉塞性動脈硬化症」では下肢切断となることもあります。最近では「腎硬化症」が増加傾向にあり、人工透析治療の15%を占めています。
動脈硬化を早く診断することはできないの?
FMD(血流依存性血管拡張反応検査)は血管内皮機能をみる検査であり、動脈硬化の前兆がわかります。しかしどこにでもある医療器械ではありませんし、数値で言われてもピンときません。では動脈が詰まってしまう前に診断する方法がないかということになると、動脈の写真を撮る、つまりMRIや血管造影検査が必要となり、これも大がかりな検査となります。そこで昔ながらのエコー(超音波)検査が、簡便で安全に繰り返しできる検査です。当院では毎年400人ほどの患者さんの検査をしています。検査実績をご覧ください。 https://www.niigata-min-sakaiwa.com/news/kurashi/achievement/2257
エコー検査でどのように見えるか、どのように診療しているか、実際のケースをお示しします。
プラークが大きくなり頚動脈がつまりそうになったケース
60代男性です。基礎疾患は「高血圧」、狭心症発作を起こし、そのときのLDLは130でした。正常値は120ですからそれほど高いわけではありません。薬物治療によりLDLを70まで下げました。ところが頚動脈エコー検査では、プラーク(脂の固まり)のためすでに動脈の半分がつまっていました。経過をみていると、徐々にプラークが大きくなり、血管がつまりそうになりました。脳外科へ紹介しますと、まだ手術の必要はないが、脳梗塞の予防のため抗血栓療法が始まりました。もし気がつかないでいたなら、左麻痺になるところでした。原因は内臓肥満と境界型糖尿病のようです。食事・運動療法を頑張るしかありません。
やせているのにプラークが大きくなったケース
60代のやせた女性です。基礎疾患は「高血圧」「脂質異常症」、動脈硬化の危険因子は他にはありません。しかし血管内のプラークが大きくなっていきました。血液検査の結果、LDLは正常ですが、ホモシステインが上昇しており、葉酸は正常、ビタミンB12が低値でした。ビタミンB6は保険適応外なので検査していません。 動脈硬化の原因は「LDL」だけではないんです。詳細は以下のサイトをご覧ください。https://www.d1yk.co.jp/info_health/2013/12/post-14.html
薬物治療でプラークが小さくなったケース
70代の女性です。基礎疾患は「高血圧」「脂質異常症」「境界型糖尿病」です。できれば薬は飲みたくないと言われたのですが、厚さが2mm以上のプラークは心筋梗塞のリスクが高いことを説明し、頑張って続けていただきました。治療により、プラークの黒い部分が吸収され、2.30→1.76→1.54mmと徐々にうすくなりました。しかし薬のせいでふらつくようだと言われ、投薬は中止となりました。しかしその後もプラークはうすくなり続け、1.43mmとなりました。最近他院で血液検査をしたところ治療を勧められたそうで、今は再び当院に通院されています。
LDL(悪玉)140以上の人は「頚動脈エコー検査」を
日本人の死因1位は「がん」ですが、心臓病と脳卒中をあわせると「がん」と同じくらいの頻度になります。そして心臓病と脳卒中をまとめて「循環器病」といい、その原因のほとんどは「動脈硬化」です。「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」は三大生活習慣病といわれ、動脈硬化の最大の原因となります。特定健診や事業所健診で異常値を指摘された方は、動脈のつまりを早期に発見するために、是非一度「頚動脈エコー検査」をおすすめします。簡便でたいへん有用な検査ですので、お気楽にご相談ください。