事業所健診結果説明会
8月30日(水)、社会福祉法人ゆうえい会さんの職員定期健康診断結果説明会が開催されました。職員のみなさん約20名が集い、診療所より安達医師、看護師、事務職員の3名が参加しました。
看護師より、脳梗塞や心筋梗塞を招く「動脈硬化」について説明。糖尿病・高血圧・悪玉コレステロールや中性脂肪の高値・禁煙が主な原因であること、自覚症状なく進行するため、次の4点について強くお勧めしました。
- 1.要精査の方 →絶対に放置せず必要な検査を受ける
- 2.治療中の方(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)→治療を中断しない
- 3.喫煙は血管を痛めるので禁煙する
- 4.食後血糖の上昇を緩やかにするために食事の摂り方を注意する
資料で「食事療法のポイント」を紹介し、血糖値を上昇させるリスクがどのくらいあるのか、チェック表を基にご自身で確認してもらいました。殆どの方が1つ以上チェックが付いた様子でした。
続いて安達医師より、健康診断結果に関わる総評を述べました。内容は以下の通りです。
・アルコール摂取の適量は男女で異なる。女性は男性の半量。理由は筋肉量の違い。アルコールは筋肉を分解する作用があるため女性は男性より適量が少ない。
・ 仕事で夕食が遅くなる場合、血糖値を急上昇させないために「分食」が有効。合間に少量の主食を摂り、帰宅後は脂質の少ない野菜・たんぱく質を摂るとよい。寝る2-3時間前は食べないこと。
・悪玉コレステロール( LDL )の上昇は遺伝的要因もあるが主な原因は加齢。女性は閉経後から上昇しやすい。LDL値140以上は要精査。頸部エコーで血管内コレステロールの溜まり具合がわかるので検査を勧める。
最後に、職員の皆さんから寄せられた質問と安達医師による応答の一部を紹介します。
Q.脂肪肝だとどうなるのか?
A. 原因はアルコール・脂肪・糖質。肝機能が悪化すると線維化により肝硬変→肝癌へ進行することもある。脂肪肝は症状がでないので注意が必要。
Q.タバコを吸う影響は?A. 言うまでもなく有毒。ニコチンで脳を活性化=ニコチン依存症。 身体的依存と精神的依存がある。 影響度は喫煙本数に比例する。
Q.猛暑だが水分はどう摂ったらよいか?A.1日3度の食事だけで約1ℓ水分が摂れる。食事以外で1日1~1.5ℓ摂れればよい。水分を多く摂り過ぎると水中毒・低ナトリウムを引き起こす。特に高齢者は調整が利かなくなるので注意が必要。
Q.マスク装着は自己判断とされているが自分は着けている。炎天下でも必要か?A.コロナ感染予防で重要なのはソーシャルディスタンスと室内換気。マスクを着けないより着けたほうが良いが、熱中症リスクを冒してまで付ける必要はない 。
新型コロナウイルス感染症流行のため3年ぶりに開催された結果説明会でした。看護師による食事療法のポイントや安達医師の説明にみなさん耳を傾け、また今年の猛暑に関わる質問も出され、しっかり対策をとられている様子が伺われました。健康で働き続けられるよう年1回の健康診断で自分の身体の状態を確認し、食事療法のほか、糖尿病や高血圧・動脈硬化の改善や予防のために適度な運動も取り入れましょう。運動は体力維持・筋力UP・ストレス解消にも有効です。暑さはもう少し続きそうですので、引き続き熱中症対策をとりつつ残暑を乗り越えましょう。
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