「予防接種による解離性神経症状反応」薬剤成分による副反応ではなく、不安や恐怖が脳にゆがんだ反応を起こすことがある
2020年1月 WHO提唱「注射の不安」が副反応を起こす
注射と聞いただけで、自分の順番が近づくとドキドキして息が切れて、のどが渇いて汗をかいて、そのうちに目の前が真っ白になって、これは「不安」や「恐怖感」が強くなったために、交感神経が刺激されるからです。不安を感じ始めてから、通常5分以内に起こる「自律神経の症状」です。自律神経の中枢は脳の視床下部にあり、同じ部位に「感情」「性ホルモン」の中枢もありますから、お互いに関連し合い、さまざまな症状が現れます。
また交感神経の反応が強まると、それを抑えようとして副交感神経が興奮します。ところが副交感神経の反応が強すぎると、正反対の症状が現れます。収縮していた血管が拡張し、心臓の拍動が弱まり脈拍が遅くなります。するとこれまで上昇していた血圧が急激に下がることで脳貧血を起こします。ですので、薬の副反応による「アナフィラキシーショック」とは異なります。アナフィラキシーはヒスタミンの過剰症状ですから、血管が拡張し、血管の中の水分が血管外の組織に漏れていきます。血圧が下がり脈は弱くなりますが、遅くなることはありません。
ですので、注射で過度に緊張する人は、自分はどっちのタイプかな?と考えていただいて、注射前に「不安」や「恐怖」が強くならないように工夫したり、また接種後もゆっくりとリラックスできるようにすることが大切です。
しばらくしてから起こる反応「解離性神経症状反応:DNSR」
さて、接種後しばらくしてから、力が入らない、手足が動かない(まひ)、不自然な手足の動きや姿勢、おかしな歩き方、しびれるなどの感覚の異常、ことばの障害、けいれんのような動きなど、説明のつかない(症状がばらばらである=乖離している)神経に関する症状が現れます。
この病気でみられる手足をぴくぴくするなどの「けいれん」のような動きは、、脳からの刺激によっておこる病気(てんかん)とは違い、明らかな原因のない(脳からの指令のない)「心因性の非てんかん発作」と呼ばれます。その特徴として、気をそらすことで症状がなくなること、これまでの病気では説明できない色々な症状が出ること、薬を使ってもよくならないこと、症状は繰り返しながら変わることなどがあげられます。
今は「子宮頸がんワクチン」の後遺症の多くが、DNSRと考えられています。つまり「薬剤成分による副反応」ではなく「注射という医療行為に対する心理反応」ということになります。人間の脳の成長スピードは比較的ゆっくりであり、22~23歳くらいに完成するそうです。発達途上の脳が、強い不安や恐怖感のためにゆがんだ反応を起こすことがあるかもしれません。DNSRが疑われた場合には、早期に専門家へ相談する必要があります。以下のサイトをご覧ください。https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/medical_institution/index.html
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