ゾルピデム・デエビゴが睡眠脳波に及ぼす影響(速報)
お酒や睡眠導入剤は脳に良くない影響を及ぼすと言われていますが実感がないですよね。そこでオレキシンを発見した柳沢正史さんが経営されている「株式会社S’UIMIN」から自宅でできる睡眠脳波測定サービスを受けてみました。やり方はいたって簡単で、電極を額と耳後部にに貼り付けて、酸素モニターを指にはめて寝るだけです。恥ずかしながらわたしの寝顔です。改めて下顎が小さく後退していることがよくわかりました。

下顎が小さく後退している人は大量飲酒も睡眠導入剤内服も危険!命にかかわりますよ!
速報をまとめますと、飲酒でもデエビゴでもレム睡眠時に大きく酸素分圧が下がっていました。驚いたのは「ゾルピデム」です。たった一晩内服しただけなのに、レム睡眠だけでなくノンレム睡眠でも酸素分圧が低下するのです。これは命にかかわることだと実感しました。
わたしは下顎が小さく後退してますので喉のスペースが狭いのです。レム睡眠では「外眼筋」と「横隔膜」を除いた筋肉が弛緩しますので、つまり「オトガイ舌筋」が弛緩するため喉をふさいでしまいます。ふだんからイビキがうるさいといわれていますので、「やっと静かになった」というときには息が止まっているかもしれません。

大量飲酒をすると、レム睡眠時の無呼吸を増やし、深いノンレム睡眠が減る!→認知症になりますよ!
ふだんは1合でおさえていますので、寝始めのレム睡眠では酸素分圧が下がっていますが、その後は大丈夫のようです。もしかしたら無意識に横向きになっているのかもしれませんが(笑)4合飲むといけませんね~ レム睡眠のたびに酸素分圧が80%を切っています。
あと睡眠の後半戦に、深いノンレム睡眠(N3)が減っていますね。エタノールがアセトアルデヒド(覚醒作用がある)に代謝され中途覚醒が増えるからです。これでは大切なグリンパティックシステムが作動してくれません。せっかく脳の中をお掃除してくれる働きがあるのに、これではアミロイドベータがたまりっぱなしです。

ゾルピデムは恐い!睡眠の前半戦ではレム睡眠だけではない、ノンレム睡眠でも酸素分圧が低下している!
ゾルピデムは超短時間型に分類されますので、即効性があり、半減期は2~3時間ほどです。その効果の強い時間帯に酸素分圧が低下していました。ゾルピデムは延髄の呼吸中枢を直接抑制しますし、筋弛緩作用もありますから、当然の結果です。
しかしベンゾジアゼピン系睡眠導入剤では深睡眠(N3)を減少させると言われていますが、今回のデータではN3の変化は認めませんでした。確かにゾルピデムはω1受容体選択性が高いため、N3を維持できるとされています。

デエビゴはおもしろい薬剤である。深睡眠(N3)を増やしレム睡眠も増やす。しかし…
デエビゴはオレキシン受容体拮抗薬であり、患者さんにはメラトニン(睡眠ホルモン)の作用を補助すると説明している。ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤と異なり、脳全体への抑制作用はない。その結果、睡眠の質を改善させることは大きなメリットである。深睡眠(N3)がふえることからグリンパティックシステムへの役割にも期待したい。しかしレム睡眠も増えるので、わたしのような下顎の小さなものには要注意である。
あとわたしの場合、寝覚めはとってもすっきりしていたが、午前中いっぱい眠気が襲ってきた。これはデエビゴの半減期が長すぎるためである。その場合は、デエビゴを早めに服用するとか、減量するとか、あるいは最近発売されたクービビックへの変更が良いかもしれない。
デエビゴの半減期48時間に対し、クービビックの半減期は6.6時間と短く、悪夢も少ないと言われている。これから続々とオレキシン拮抗薬が開発されてくる、もはやベンゾジアゼピンの新規処方はありえない。

日本は超高齢化社会を迎え、だれでもが認知症になれる時代、筋弛緩による転倒骨折も健康寿命を損なう。 「快食」「快眠」「快便」は、楽しく生きるために必要不可欠な三大要素といわれている。とりわけ睡眠は、心身の疲労回復にとどまらず、脳にとっては「脳の修復・再構築・最適化」を行う重要なプロセスであり、認知機能や脳の精神的健康を維持するためには欠かせないものです。
このたび、わたし自身を実験材料にしてデータをとってみましたが、もし興味のある方がおられましたら、ご自分の睡眠脳波をとってみませんか?きっとなんらかの発見があると思います。https://www.suimin.co.jp/
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